3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「お前ところで塾サボっていいのかよ」



「あーっ忘れとった、ミロク知ってたなら教えてくれよお」



店を出て駅に向かう道中で何気なしに聞いてみたら……完全に忘れてやがった。


「最初に言っただろが、今日はサボるって宣言したくせに」



自分の発言ぐらい覚えとけよ。



「そっか、まあいっかクラス替えの試験だったし。久々に息抜き出来たしよ」



腕を上に伸ばしてストレッチしながら簡単に納得しやがった。



「クラス替えって重要じゃねえのかよ」



「うーん、別に。特進から選抜には落ちちゃうけど次上がればいいし。それに最近勉強ばっかで刺激がなくてつまらなかったしよ。だから、今日はありがとなミロク」



「気色悪いな礼なんかすんな。勉強ばっかって……毎日か?切符250円だよな」



「おう。両親がさ共働きで妹と交代で家事やってんだけど、それは俺達の為で良い学校や会社に就職して欲しくて頑張ってるのがわかってんだ。だから塾にも行ってんだけど」



電車内で恭介は今日会話したばかりのミロクに家族事情をさらけ出した。



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