3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「美雪……」



松本先生も美雪に歩み寄り、呼吸を落ち着かせて声を振り絞る。



「今更、母親面しないで。貴方のせいであたし達の家庭はバラバラになった」



「ごめんなさい、私に全て責任があるから美雪には何を言われても仕方ないわ。辛い思いをさせてしまって、ごめんなさい」



「気安く名前呼ばないで。どうして……どうし……」



美雪もどう接すればいいのか悩んで苦しんでいる。いざ母親を目の前にして憎んでいたはずなのに、言葉は責めていても心の奥では責めきれない歯痒さが。



かといって再会を喜べるほど人間が出来ていない。



涙も流せない。
どうすればいいのよ……。


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