3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「……んっとに」



席を立ち上がり恭介を無視して鞄を手に教室を出る。


「待ってよ……っとと」



美雪が帰るのを制止しようと肩に触れる際に脳裏に病院での出来事が過ぎり、美雪の肩に触れるのを寸前で止めた。



男に触れられたくないんだったな



「これだけ受け取ってくれ」


栞と地図を美雪に受け取ってもらうように俺は頭を下げた。



「集合場所は駅前だけど、一応キャンプの場所を教えておくよ」



「何処までもしつこい男……行かないって何度言えば分かるの?」



「とにかく貰って、来ないなら来ないでいい。栞の中身を読んで決めてよ。それから土曜日まで美雪に会うのは止める、B組には来ないから」



半ば強引に栞と地図を渡したら、恭介は笑顔で去っていく。



「じゃ土曜にな」



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