言霊師
「私はあなたと同じよ。言霊師。」
それを聞き、ヒョウリは疑いもせずに気を抜いた。
一気に締まりがなくなった顔。
その態度はかなりあからさまで、苦笑を誘う。
「言霊遣いだと思ったんでしょ?…もし仮にそうだったとしても、ここで正体を明かすわけないでしょうけどね。」
「でも、貴女の言葉に嘘はないから。」
そうは言ったものの、正直、自信がない。
今は、言霊が見えている。
でも確かに、さっきまでは……隠されたかのように、彼女の言霊が見えなかった。