月と太陽の恋愛関係
しばらくして彼女はハァ、と1つ息を吸い、窓の外に広がる赤い空を見上げて言った。


「あぁ」


なんの気持ちもこもっていない。

そんな素っ気無い返事。


声で分かる。

コイツは俺を好きじゃない。



でもそれでいい。

俺も好きじゃないのだから。


偽りの恋心なのだから。



俺は決して恋なんてしない。

あの時分かった。



俺は恋の出来る人間ではないことを。


< 16 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop