魔法使いですが、何か?

はじめまして


「ただいまぁ…」

なるべく小さな声でいう
家族に気付かれないように
僕はそっとドアを開けた

夜中に帰ってきて申し訳ないという気持ちよりも
金髪の外国人の女の子を夜中に連れ込んだという
行動に対する羞恥が
僕をこんな泥棒のような行動をさせているのだろう

……何をしているんだ僕っ!!

忍び足でで廊下を歩いていく

もちろん、後ろにはミッシェがいる

そして
一つだけ、明かりのついている
リビングの前で息を飲む

きっと、ここには母さんがいる筈だ

どう思われるだろうか

でも、どう思われたって

僕はここまでミッシェを連れて来たんだ

今さら、引き返す事なんて
出来ない…!

「た、ただいま母さん…」

恐る恐る、ドアノブに手をかけ
リビングへ足を踏み入れた

「あら、遅かったわね
すば……る?…あらら」

きょとんと目を見開き
僕の後ろのミッシェを見た

それはそうだろう
見知らぬ金髪美少女を
彼女すら居たことのない
息子が連れて来たのだから

誤解しないでくれ母さん…!
僕はいやらしい意味で
ミッシェを連れて来たんじゃないんだっ!!

ただ純粋に面倒だったから
連れて来ただけなんだっ!
< 18 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop