魔法使いですが、何か?
再びどうでもいい会話が
幕を開いた

この3日間はずっと
こんな調子で…

バカだアホだ
ちょっと待てコラァ!
とかそんな会話しかしてない
(どんな会話だ)


また、いつものバカな調子

こんな無意味な
アホらしい話ばかりしていたら
いつの間にか
空はオレンジ色に染まっている

帰ろうの一言もないのに
僕らの足は河合家に向かう

もう、ミッシェにとっても
河合家は自分の家のように
なっているのかもしれない


…だったらいいけど


僕はミッシェの買った
服やらアクセサリーやらの
袋(主に紙袋…なんで?)を
抱えながら帰路を歩く

あたりはみかん色に包まれて
少し涼しい風が吹き抜ける

時々、遊び盛りの小さな
子供達とすれ違って
夏休みを実感する

初めてミッシェと一緒に
のんびり歩いた僕がいる街は

意外と小さくなったと
久しぶりに歩いて思った


「昴ー!
はやくしないと
御夕飯に間に合わないわよ」

「食い意地張ってるな」

「何ですって?!」

明日からは8月だった
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