【短】知りたい。もう少し。
そう思いながらも差し出されたメモをやっぱり受け取れない私。
その反応に苛立ったのか、彼女は、今度はそのメモを私の胸のポケットに無理やり入れ
「お願いね!絶対だよ?」
と、言って、去って行った。
……渡したくない。
そして渡したくない私の気持ちも……多分千夏は気づいてる。
でも、私が、頼まれたその紙を捨てるなんてできない事も知ってるんだ。
「あぁ……」
私は自分の席に座り、机に顔を伏せて、ため息混じりに声を出した。
やだな……。
やだけど。
凌をとらないで。なんて言える立場じゃない。
それが、『トモダチ』。