蛍が飛ぶ頃に
出会い
1981年6月某日

この日はとてもジメジメして

いつ雨が降り出してもおかしくない

そんないやな日だった明日は隆志の

十二歳の誕生日だというのに祝ってくれる

友達もいない、ただ一匹家で飼っている

愛猫のハッピーだけが隆志の帰りを待ち望み

いつも変わらない愛くるしい笑顔?でゴロゴロ

と喉を鳴らし擦り寄ってくる。

隆志は幼い頃に父親を病気で亡くし母親の

早苗の手一つで育てられた、早苗は昼も夜も働き

一生懸命、隆志を育てようとしていた、

しかし幼い隆志にはそれを理解できるはずもなく

母親への不満感だてが日々募っていった

日々一人で過ごすことが多かったからか

隆志は人とあまりうまくコミニケーションが

とれず、クラスでも目立たず、むしろ「くちなし」

と言っていじめられていた。
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