蛍が飛ぶ頃に
今日もクラスメイトの剛史と和則(あだ名ジャイアンとスネオ)に

いじめられて、少し身体に小さくなった

ランドセルを抱えてとぼとぼと細道を帰っていた

隆志はいじめられたことを思い出すと

涙がこみ上げてきて、思わず涙がこぼれそうになり

その場に立ち止まり空を見上げた、空は今にも降ってきそうな

どんよりとした薄暗い雲が太陽の光をさえぎっていた

「なにしてるの?」

不意に背後から聞こえた声に隆志は

びっくりして身体ごと振り向いた

そこには学校では見たこともない女の子が

赤い自転車を携えて不思議そうに隆志を

みつめていた。
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