【完】俺の守護霊
「何で嘘吐いたんだ?」
『だって…幽霊だって言ったら怖がられるかな〜って。
守護霊って言ったら話聞いてもらえるかなって思ったの!』
俺の問い掛けにそいつは俯いたまま答える。
どっちにしろ霊なんじゃん。
無駄に嘘を吐く必要なんか無いのに。
…でも。
嘘をついてまで俺に話を聞いて欲しかったって事?
悲しそうな顔すんなよ…。
「どうしてこうなったんだ?」
『え?』
「幽霊って事は何か思い残した事があるからここにいるんだろ?
話くらい聞いてやるよ」
やっと顔を上げたあいつの顔は今にも泣きそうなくらい悲しい顔をしてた。
何かきちんと理由があるんだろ?
…病院に居たってことは、
あの病院で亡くなったのかもしれない。
いつも皆が助かるって訳じゃない。
生きたくても生きれない人が沢山居る。
こいつもその中の1人なんじゃないかと思うと、
黙ってどこかに追い出したりするんじゃなくて、ちゃんと話を聞いてやりたいと思ったんだ…