恋愛両立


バスに乗って、至れり尽くせりってこんな風なことを言うんだろうなって思うぐらい気を使ってくれる律子さん。


枕と小さな毛布を渡されて。


「あったかい飲み物飲むといいよ。」


って水筒からはおいしいほうじ茶。


「日に焼けないようにね」


って窓のカーテン降ろしてくれたり。



私、「すみません」って何回言ったんだろう。



クスっと笑った律子さん



「すみません、じゃなくて、ありがとうでしょ?」



綺麗な人だな・・・


顔もそうだけど、全部。



「ありがとう」


私がそう言うと



「どういたしまして」


って言った律子さんの笑顔が本当に綺麗だったんだ。













ガヤガヤみんながバスに乗り出した。




敦くん、来たかな?



声かけてくれるかな?



一番前の席で毛布に包まった私をみんなが見てくる。



真夏なのにね。



毛布に包まっておかしいよね・・・












「やだー!何言ってんの??キャハハ」


そんな高い声がしたと思ったら。


「うっせーよっお前に言われてくねーって」


聞いた事のある声がした。



大好きな声のはずなのに、いつもと少し違う。







え・・・・・?










私の前を素通りしていった・・・・・・・・・・










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