─暴走族のお姫さま─
「お嬢さん?大丈夫?」
そこには高そうな
黒いスーツを着た
二十歳くらいの
男の人が立っていた。
「大丈夫…っ」
あたしは泣いているのを
見られたくなくて強がった。
「大丈夫じゃないやん」
──ギュッ…
男の人の言葉が
聞こえた瞬間
温かい身体に包まれた。
あたたかい…
なんでだろう…
涙がまた出てきた。
「…っ…ヒック…ふぇっ…」
「ええよ。
思いっきり泣き?」
男の人は
雨が降っているのに
ずっと抱き締めてくれていた。