私の秘密の旦那様
とりあえず私は、凛と家に帰ることにした。
そのまま学校にいても変わらないしね。
携帯に…親から数件不在着信とか入っちゃったりしてるしね。


「じゃあ、渚また話し聞かせてね。私はいつでも、どんな時でも渚の味方だから。


じゃあ、お見合い楽しんで(笑)ばいばぁい♪」

「うん、ばいばい…。」

凛と別れるいつもの道からは一人で歩いて帰った。

家に着き、玄関のドアを開けると淡いピンクのと淡い水色の着物を並べてお母様がニコニコしながら座っていた。


「お、お母様…?こんな場所で一体何を!?」


「え?何って…今日のお見合いで着る渚の着物選び。

渚?お着物どっちがいい?」


き…着物って…。
お母様ったら今回は特に気合い入れすぎでは?
いつもはワンピースとかなのに今日は着物…。
相当、今日のお見合いに力を入れているってことか。


それほどにも…今回のお見合いは本気なんだ…。

「…じゃあ、そっちの淡いピンク。」

「あ、本当♪?
私もそっちが似合うと思ったの!さぁ、着てみて。」

え…、今着るの?…仕方ない。着るか。



とりあえず、お母様に着物を渡されてからすぐに着てみた。うん、これはなかなか良い品だな。


「うん、可愛い!とてもよく似合ってるわ♪
私も今度それみたいな色の着物、買おう。」


か、買うんだ…。
いくら茶道の家元だとしても着物持っていすぎない?
お母様の箪笥には、着ていない着物がかなりの数の着物が眠っていると思うんだけど…。

だけど……

「ほ、本当に?」

やっぱり“似合う”とか“可愛い”なんて言われたら嬉しいくないわけがない。

「えぇ、とっても可愛いらしくて綺麗よ。」

「あ、ありがとう…。お母様……///」


うーん…うん。
ほめてくれるのは嬉しいけど…。
着物は好きだけど…。


嫌だなぁ…お見合い。

何度やっても慣れない…。

それに、先生のことが好きだし。

もしかしたら、先生より…いい人かも?

だけど……やっぱり想いを伝えていな今、
やっぱり私はまだ諦めるわけにはいかない!


でも、もし……
今日のお見合いで先生が運命の人に出会ったら………

先生に彼女はいなかったみたいだし…。

うわぁ―……なんか泣きたくなってきちゃったよ…。

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