旦那様は社長

「寂しくないように身体中にオレの痕、つけてやろうか?」

「……バカ」

「いや、つけさせろ。浮気防止!!」


真顔になってあたしの胸元にキスをした社長の頬を思いっきり抓った。


「痛てッ」

「変態ッ!!そっちこそ、金髪美人にフラフラしたら許さないから!!」


『早く帰ってきてね』とか『寂しい』とか、そんな可愛いセリフを素直に言えればいいのに。


やっぱりあたしは、社長の前で可愛くなれない。


「その方がお前らしいよ」

「え?」


社長は寂しそうに小さく笑い、あたしの頬に優しいキスをした。


「待ってろ」

「……うん」


社長の温かい胸に顔をうずめ、そのまま眠りについた。



そしてこの社長不在の間。

思いもよらない人物から、あたしは真実を聞かされることになるーー……


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