旦那様は社長
「私は光姫さんが気に入った。心優しく聡明な女性だ。悠河にとっても、公私に渡って良きパートナーになるだろう」
「ちょ、ちょっと待って下さい!!」
この部屋の視線が一斉にあたしに集まる。
なぜかとても緊張してきて、ゴクリと喉を鳴らして息を呑んだ。
「会長は、何か思い違いをされていませんか?」
「思い違い?」
「はい。私はそんな立派な人間ではありませんし、それに……」
「なんだね?」
それに……
「私は家柄もありません。両親だって、もういません。他の身内も」
そんなあたしが社長と結婚なんて……
社長夫人だなんて……
どう考えたって有り得ないでしょう?