旦那様は社長

だけど、いるはずの光姫の姿はどこにもない。


それなのにベッドサイドのライトがつけっぱなしになっていて、ベッドの上の小さな封筒に気づいた。


ドクンと心臓が大きく脈打つ。


「まさか……」


視界に入ったのは“社長へ”と“退職願”の2つの文字。


“社長へ”と書かれた封筒を急いで開封する。


中には真っ白な便箋が入っていて、開くとそこには達筆な光姫の文字がズラリと並んでいた。


そしてそこには、光姫のオレへの想いが綴ってあって。


光姫のオレへの愛で溢れていた。


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