†Orion†〜Nao's Story〜
冷め切った口調で言う先輩に、
「いいっすよ」
森谷もまた、ひどく冷めた言葉を突き返す。
先輩は、たった今“元カノ”に格下げになったあたしに対して何の言葉もかけずに、静かに部室を出て行った。
――あたしは、何てバカだったんだろう。
告白した時点で、ほんの少し疑えばよかったんだ。
先輩が、あたしの告白にOKしたことを……。
お父さんという共通点があって、あたしと先輩はお互いの存在は知っていても、直接的な面識はなかった。
たとえば、先輩があたしの知らないところで、あたしに対して好意を持っていてくれたのなら。
付き合い始めたときにそういう暴露話があってもよかったのに、一度もそんな話題にはならなかった。