†Orion†〜Nao's Story〜


「うん。妹のさくらにピアスを貰ったの」


「へぇー。どこで開けるの?」


「病院」



あたしが言うと、先輩はにこりと笑う。

この笑顔に、いつもドキドキする。

どんなに嫌なことを聞いても、あたしはやっぱり先輩が好きなんだ。



「……俺、開けてあげようか?」


「え……っ?」



先輩は、耳にかかる長めの自分の髪をかきあげて、小さなリングがついている耳たぶを見せた。



「ピアス……! 先輩、開けてたの?」


「うん。気づかなかった?」


< 98 / 220 >

この作品をシェア

pagetop