†Orion†〜Nao's Story〜
「うん。妹のさくらにピアスを貰ったの」
「へぇー。どこで開けるの?」
「病院」
あたしが言うと、先輩はにこりと笑う。
この笑顔に、いつもドキドキする。
どんなに嫌なことを聞いても、あたしはやっぱり先輩が好きなんだ。
「……俺、開けてあげようか?」
「え……っ?」
先輩は、耳にかかる長めの自分の髪をかきあげて、小さなリングがついている耳たぶを見せた。
「ピアス……! 先輩、開けてたの?」
「うん。気づかなかった?」