僕らの、
「そうなんですか…」
「そうなんです!信ちゃん、他になんかやることってある?」
「いや特には…あ、お前ら全員に伝えることがあったわ…」
「?」
「一応、まだ世間にはリッちゃんが加入したってこと、言うてへんからな。あんま他言すんなよ」
「あ、はい。」
「まあ、リッちゃんは、親御さんには言うてんねやろ?」
親御さん…
「いえ…言ってません」
「え?んじゃ今からでも報告しといた方が」
「大丈夫です、今は連絡とってませんし」
マネージャーさんの顔が、少しだけこわばった。
「そうか…?それならいいんやけども」
「ねえリッちゃん、他に僕らのことで知りたいことってある?」
タクさんが、挨拶以外で初めて口を開いた。
「あ、あの、私、3人の関係が知りたいんですけど…」
「俺らの関係?」
「ああ、全員俺がスカウトした」
答えたのは、マネージャーさんだった。
「えっ!?」
「えっ…って、そんなびっくりすること?」
「え、いやだって、普通バンドメンバーの関係って、昔から仲が良かったり、幼なじみだったり…」
「あーそうかそうか。確かにそうやなあ。」
