僕らの、
「?」

3人が戻ってきた。
水を飲んだおかげか、幾分ましな顔にはなっている気がする。

「おまえら、リッちゃんが名前の決め方教えてほしいってさ」

「あー…おん」

3人は机の周りに座りなおし、マネージャーさんも、机より少し離れたところに座った。

「まずは、俺らの本名から教えとくな」

「あ、はい」

そういえばまだ知らなかったな、本名

いつものテンションより、ものすごく低い雅は、少し構えてしまう。

タクさんはペンを持ち、きれいな字で名前を書き始めた。

「俺は古田雅人(ふるたまさと)。こいつは澤野奏(さわのかなで)、こいつは宮崎優(みやざきまさる)。」


「はあ…」

そして次にタクさんは、それぞれの名前の雅、澤、優を丸で囲った。

「そんで、丸で囲ったんが、名前の中で一番画数が多いヤツ。」

「はい」

あ、なんか分かってきたかも。

「そんで、タクとユウは、澤と優の違う読み方をさせて…俺も、“ミヤビ”ってすることはできてんけどもな、俺、ミヤビって顔ちゃうやろ?」

「まあ…そうですね。」

フォローも思いつかなかったので、受け流す。

「そんで、リツの名前は立川律子。一番画数多いのは“律”で、リツって他に読み方無いから、リツのまんま。これが名前の決め方っ」

最後にマサは精一杯、笑った。


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