ぬくもり
「…俺の手当てじゃ不満か?」
「別に不満ってわけじゃないですけど、…私の傷って全身にあるんですよ?」
「全…身…」
やっぱり腕だけだと思っていたみたいで、信じられないと言う様な顔をされた。
「それに…治療しても結局無意味なだけだから、しなくて良いです。」
「無意味?」
「はい。毎晩暴力受けるんですもん。治るわけがありません。」
「…毎晩?…もしかしてお前、親に虐待受けてんのか?」
しまった…余計なことを言ってしまった。
腕だけ治療受けて、さっさと帰ればよかった。