ぬくもり
「あ、ごめんなさい…仕事中だった?」
「あ、いや。昼飯食べに出てきただけだから。…藤代、この前話しただろ?谷村奈央。」
「…んー…?」
藤代と呼ばれた男の人は、顎に手を当ててしばらく考えた後、
「…あ、あー!奈央ちゃんね!」
すっきりしたようにニッコリ笑った。
「…話したの?」
「ん…あぁ。こいつは同僚の藤代。何かと役に立つかと思って…」
「へぇー」
信頼してるんだ。
「藤代翔伍(フジシロ ショウゴ)です。よろしく。」
そう言って手を差し出された。
「よろしく、お願いします。」
いい人そうだ、と思い笑って差し出された手を握った。