ぬくもり



…そんなことを考えていても、結局やって来てしまうこの時間。



「あと…5分…」




あと5分で来てしまう。



冷たく光のない瞳をした…父と母が…。







大きな足音が聞こえた後、
勢いよく部屋のドアが開く。


「…奈央。」



「…お父さん。」



無言で髪を引っ張られる。


「いっ…」




私は生活態度はしっかりしてる。


お父さん達に怒られなきゃいけないこと、ましてや殴られなきゃいけないことなんてない。



…しいて言うなら、
未だに学校に長袖を着て行っていることぐらい。



お父さん達はいつも怒りを訴えるように、無言で私に手をあげる。




反論しても無駄なことは
随分前に学んだ。




< 7 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop