ぬくもり
…そんなことを考えていても、結局やって来てしまうこの時間。
「あと…5分…」
あと5分で来てしまう。
冷たく光のない瞳をした…父と母が…。
大きな足音が聞こえた後、
勢いよく部屋のドアが開く。
「…奈央。」
「…お父さん。」
無言で髪を引っ張られる。
「いっ…」
私は生活態度はしっかりしてる。
お父さん達に怒られなきゃいけないこと、ましてや殴られなきゃいけないことなんてない。
…しいて言うなら、
未だに学校に長袖を着て行っていることぐらい。
お父さん達はいつも怒りを訴えるように、無言で私に手をあげる。
反論しても無駄なことは
随分前に学んだ。