―愛束縛―
「春さん 今朝の食事は? アタシに手伝える事ありますか?」
気が付けば 桜がそろそろ蕾を見せる季節になっていた
鈴はあれから体調が戻り 以前よりももっと笑顔が増えていて
今では春さんの娘のように 春さんと家の家事をしてくれている
俺は鈴が春さんの横で いろいろ教わっている様子を見るのが 嬉しくて仕方なかった
「鈴 愛してる」
「アタシもだよ 太一」
「今は仕事中ですぞ! 鈴さん」
「はい ごめんなさい」
「太一さんも そろそろお仕事の支度をしなされんと…」
「はいはい 俺は邪魔者ですから出て行きますよ 春さん
鈴の事 お手柔らかにお願いしますよ」
「はいはい!じゃあ鈴さん 今度はトイレの掃除ですぞ」
“行ってきます”独り言のように挨拶すると ミーが“ニャア”と挨拶をしてくれた
鈴が元気になってからというもの 誰ひとり俺を見送ってはくれなくなっていた
嬉しかった
鈴がこの家の人気者になった事が