―愛束縛―


気が付けば いつの間にか桜の蕾が芽を出す季節になっていた




俺は変わらずあの会社に行っている


鈴はとても穏やかな顔になり 幸せそうに家事をやってくれている




今日もいつもと同じように会社から帰り 自分の部屋で服を着替える


「太一!降りて来て!」

鈴が 少しあせった様子で呼ぶ


俺は慌てて一階に降りて行くと みんなが一斉にクラッカーを鳴らす


「太一 誕生日おめでとう!」

鈴は満面の笑顔



気が付けば 今日は俺の誕生日



鈴と春さんが大きなケーキを持って来る
「鈴さんがひとりで作ったんです…」


ケーキには大きく“太一おめでとう”と書いてある


「はい これ…開けて」


鈴が小さな箱を渡す



開けてみると 中からは





懐中時計



「太一…今までありがとう 太一結婚して下さい」

鈴が右手を出す



「はい 喜んで」

俺も右手を出し 鈴の右手と握手をする




俺は鈴を抱き寄せて kissをする



みんなに見せつけるぐらい 甘い甘いkissをする



みんなは 拍手で祝福してくれた


< 128 / 138 >

この作品をシェア

pagetop