月から堕ちたアリス
気が付いたらもうお昼休みになっていた。



なんだか最近、ボーッとすることが本当多い。


朝家を出てから今までのことをよく覚えてないし。



大丈夫かあたし…??



「優っ。」



トイレを済ませて教室へ戻る途中名前を呼ばれ、振り返る。



『歩!!』



あたしは歩の元へ駆け寄った。



「昨日あの後どうだった??」

『あー…実はあたしも歩が帰って少ししたら帰っちゃったんだ!!』

「そーなの??」

『ちょっと頭痛かったからさー。』

「もう大丈夫か??」

『うん!!』



まぁ、仮病ですから。



すると、歩はあたしの頭を撫でてくれた。



「…とか言って、俺がいなくなって寂しかったからだったりしてなー??」

『……え、へへ…バレた…??』

「優はマジかわいーなー。…じゃあ俺飯まだだからまたなっ。」

『うん、またね!!』



付き合っていることを内緒にしているあたし達は2人で行動することはほとんどない。

寂しいけど仕方ない。

付き合うための条件だから…。



さて、あたしもご飯食べなきゃ。



教室に戻ろうとすると、あたしの目の前に立ちふさがる3人の女子。



この学校は学年カラーがあり、1年は赤、2年は青、3年は緑と決まっている。。

ネクタイの色からしてこの人達は3年の先輩らしい。


顔を見ると、あたしのことを睨んでいる。

でもその顔に面識はなかったと思う。



『…何ですか??』

「…ちょっと顔貸しなさいよ。」



あたしは渋々その3人に付いていった。
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