月から堕ちたアリス
「…貴様等は必ず私が消す。私と試合で当たる前に他の奴にやられることは絶対に許さん。」



スピネルはそう言うとあたし達のいる方とは逆へ去っていった。



『スピネル、か。あんな強い人に命を狙われてるなんて…。』

「さりげなく貴様“等”になってたし…。まぁ勝ち進んでいったらいずれ闘うことになるね。」

「けっ!!あんな奴俺が返り討ちにしてやらぁ!!!!」



それにしても…



あのスピネルはハートの女王があたし達へ差し向けた刺客ってこと…



つまり、あたし達が自分を倒そうとしていることを察知して、あっちも本格的にあたし達の排除のために動き出したんだ。



でも、ハートの女王とはまた別にあのライトの存在もあるし…



何か気付けば敵が増えてきてるよね。



――まぁ仕方ないことなのかな。





あたしが色々考え込んでいたその時、





「はぁーい、かわいい彼女っ♪そんな浮かない顔してどうしたの??」



あたしの目の前に先程ルビーとスピネルを止めに入った笑顔の大会運営者、フラットがいた。


しかも何故かあたしの右手を両手で持ち上げて握っている。



な…何か…、


ナンパみたいなんですけど…。
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