月から堕ちたアリス
「女の子には笑顔が1番だよ??」

『は、はぁ…。』

「じゃあ元気になるおまじないをしてあげよう。」



フラットはそう言うとあたしに近付き、そして気付いたときにはフラットの唇があたしの額に触れていた。



「「っ!!!!」」



ラビとルビーは驚いた表情で口を開けたまま固まっていた。



『………………………ぎ…』

「ぎ??」

『ぎゃあああああああぁぁぁ〜〜!!何してんの?!この変態っ!!!!』





――バチーンッ!!!!――





「ぶへっ??!!」



あたしはフラットの頬に思い切り平手打ちをお見舞いした。



「いてて………」

『最低!!帰る!!』



あたしは宿屋に向かって走った。



「あ…アリス!!」



ラビとルビーもその後を追い掛けて走った。





「うーん…まさかあれで喜ばない女の子がいたなんてね…。」



フラットはアリスに殴られてヒリヒリする頬をさする。



「…でも、今までに無い反応だったなぁ。いつもならみんな嬉しそうにするのに。










――うん。


俺、あの子気に入っちゃった♪」



フラットはニッと笑うとその場から去った。
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