月から堕ちたアリス
「優。」

『あっ!!えーと…あれ…??』



おかしいな…


名前が思い出せない。


あたしの『彼氏』なのに…



「おいおい、俺の名前忘れるとか寝ぼけ過ぎだから。塚本 歩だよ。」

『ゴメンゴメン、歩!!ど忘れしちゃった!!あははっ…。』



そうだ、歩だよ歩!!


彼氏の名前ど忘れってさすがにあたしひどいよね。







…でも、何か違和感。


歩ってこんな感じだったっけ??


何か雰囲気変わった…??



「優疲れてんのか??あんまり無理すんなよ。」

『大丈夫だよ。それになるべく歩と一緒にいたいし…。』

「お前本当可愛いこと言うなぁー。」

『えへへっ…』



歩はあたしの頭を撫でた。



















「おーいみんな注目〜!!例の2人が勝手にいちゃつき始めてるぞ〜!!!!」

「ヒューラブラブ〜!!」

「うわ〜見せ付けかよ?!こうなったら俺はとことん歌ってやる!!羨ましくなんかねぇっ!!」

「僻みはみっともないよー。」

「うるせーっ!!!!」



みんながぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた。



『あ、歩!!ヤバくない?!みんなに付き合ってることバレちゃ…』

「なぁに言ってんだよ??俺達とっくに学校中の公認カップルじゃん!!」

『え……??…あ、あぁそうだよね、うん…!!』

「今日の優は変だなぁ。」



公認…そうだったっけ??



何かよく分かんないけど、みんなに内緒で付き合ってた気がしちゃった。



あたしってばどうしたんだろ??
< 71 / 246 >

この作品をシェア

pagetop