− fifteen −
ユリは確かに
目立ちました。
ユリを見かけるときは決まって
数人の女子の中心に
いつも彼女がいました。
スカートの丈をギリギリまで上げていて
先生に怒鳴られても
ユリは口の中のガムを
いっそうくちゃくちゃ噛みしめ
反抗的な目で先生を
にらみつけるだけでした。
周りの女子たちは
それを
カッコイーという目で
見つめていました。
私はユリの子供っぽさに
あきれていましたけど。
窓際の席の私は
退屈な授業のときには
よく窓から空や校庭を
ぼんやり眺めていました。
ある日の授業中
ユリのクラスが
ドッチボールをやっていたので
私は観察していました。
そして不思議なことに
気づきました。
ユリだけが狙われないのです!
どんなにユリが
当てやすい場所にいても
女子も男子も
それが見えないみたいに
別の場所へボールを投げます。
ユリもそれが当たり前みたいな顔をして
ほとんど動かず
余裕で敵チームを攻撃していました。
ゾッとしました。
なぜだか分かりませんが
ユリには強大な力があるようです。
男子も女子も
ユリを前にしては
従うしかできないのでしょうか。
また
ある日の夏休み明けの学校で
ユリは髪を茶色に染め
登校してきました。
もちろんすぐさま
先生たちに囲まれていましたが
ユリはそんなの
気にしていませんでした。
むしろ怒られる自分を
楽しんでいる風にさえ
見えます。
私はこうやってユリを
観察していくうちに
目立ちたがりで女王様気分のユリのことが
大嫌いになっていきました。
私のなかで
入学式の件も
引きずっていたのかもしれません。