恋・したい
【どこか痛いの!?座って】

そんな私の突然の涙に驚いて慌てる柚季が愛しくて嬉しくてまた泣けてきた。

『ちが…の。大…丈夫』

柚季の真っ直ぐな気持ちが痛くて切ない。
私は言いたくても言えない、嫌な大人だ。

【大丈夫…、深呼吸して】

背中をさする右手
肩を抱いてる左手

柚季の手はいつも優しい。泣き顔の私を見てちょっと笑って

【莉梨愛ちゃんはどんな顔でも可愛いな。一番好きなのは笑った顔だけどね】

少し照れ笑いしちゃったよ。

『あのね…』
【まだ涙止まらない?涙止まるおまじないしてあげるね】
『え?』


一瞬
唇と唇が
重なった


【…どうかな?止まった?】
『……おまじない、まだ効いてないみたいだよ』
【そう?じゃあ…】

隣に座って右手を肩に回し左手で私の右頬に触れた。

【今度は長くしてみるからね】

ゆっくり目を閉じて柚季の唇を待つ。柚季の熱が近付いてくるのが解った。
そして…

その日人生初のキスを柚季と二人で何回も交わした。
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