准教授 高野先生の恋人

寛行さんは“待つ”ことだけじゃなく、話を“聞く”ことにも長けていた。

ぽろぽろと取りとめのない私の話を、彼は丁寧に丁寧に言葉をすくいながら、

そして、時折、辛抱強く私が発する次の言葉を待ちながら、

じっと真剣に、ひたすら耳を傾けてくれた。

「寛行さん」

「うん?」

「あの・・・」

「?」

「あのね、明日も明後日も、その次の日も、そのまた次の日もね、ずっとずっと・・・」

こみ上げる感情を、あふれそうになる涙を、抑えよう堪えようとすればするほど、

発したい言葉までも、押さえ込まれて固まって、なかなか声に出せなくなった。

まったく、自分の不器用さがうらめしい。

それでも私は、どうにかこうにか搾り出すようにして言葉をつないだ。


ずっと――



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