准教授 高野先生の恋人

「その患者さんね、まだ30代だったの」

「それはまた随分と・・・」

「うん・・・奥さんもね30代。若いよね」

「本当に、ね」

「・・・・・・」

「・・・・・・?」

「とっても仲のいい御夫婦でね」

「うん」

「お子さんはいなくてね」

「そう・・・」

「あっ・・・」

「うん?」

「あの・・・うんん・・・」

「うん」

「・・・・・・」

「・・・・・・?」

「あ、そうだ・・・猫、飼ってるんだって」

「猫?どんな猫?長毛?短毛?」

「短毛。アメリカンショートヘア。名前がね“ガリクソン”っていうんだって」

「へぇー、ガリクソンかぁ」

「ガリっと掻くからガリクソンだって」

「なるほど」

「あとね・・・」

「うん?」

「奥さんね、F女学院出身なんだって」

「そうなんだ?」

「英文学科だって」

「じゃあ、地元の人なのかな?」

「うん、市内にご両親が住んでる、って」

「そっかぁ」

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