准教授 高野先生の恋人
彼のほうが私よりも長く生きる、つまり、私のほうが早く死ぬ、と。
自分で言っといてなんだけど、彼がそんなこと言うなんて想定外でちょっと驚いた。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼はニコニコ楽しそう。
「僕と結婚したら、もれなく看取ってもらえるよ?どう?結婚したくなった?」
「何言っちゃってんですか・・・」
「僕は君より長く生きる。だから、残されたらどうしようなんて心配は無用だよ。
そしてね、君が旅立つその時、僕は例のお決まりの台詞を言うんだ。
“僕も死ぬ!”ってね。
もちろん、君の手をぎゅっと握ってさ。
それでね、君の最期を看取って、完璧に君を送り出したあとにさ、
君なしでは生きていけない弱い僕は、後を追うようにぽっくり逝っちゃうの。
だからね、君の亡き後、僕が新しい恋人を作るなんてこともないわけ」