准教授 高野先生の恋人
羊も山羊も、どちらも立派な草食系。
けれども、物事には例外がつきものだ。
「寛行・・・羊さんは知っていますか?」
「ん?」
「羊が大好物の山羊もいるんですよ」
「え?・・・て何、ちょっ・・・わぁっ・・・!」
開き直った山羊は、あろうことか、羊にいきなり襲いかかった。
隙だらけの羊は、転がされてひっくり返され、すぐさま形勢は逆転に。
あっという間に、今度は羊が高い天井と山羊の顔を仰ぐはめになっていた。
今日の山羊はいつもの山羊とは一味違う。
「おとなしく観念することです」
「こうして、おとなしくしてるでしょ?」
けれども羊は挑発的に、いつもの調子で余裕たっぷり笑って見せる。
思慮の浅い愚かな山羊は、まんまと羊にむきになる。
「羊の一匹くらいペロリです」
もはや情けも迷いもなく、山羊はただひたすらに羊を喰らうことを欲していた。