ホスト前線上昇中
一週間
 嫌だと言いつつなんでコイツと一緒に居るんだろ……。

あれから一週間が経とうとしているが、特に近況に変化なし。
まぁ、唯一変わったと言えば──、

「美由紀!こらっ!起きろ~!遅刻するわよ」

私が彼のことを『美由紀』と呼ぶようになったことくらいかな。
二段ベット用の細い階段を半分上ったところで大声をあげる。
……ったく、目覚まし時計じゃないっての!

「ふぁ~ぁ」

「今日、日直なんでしょ。早く起きて先生のとこいかないと」

「……そっか」
ゆっくりと上半身を起こす。目はまだ眠そう。

「なっ何よ!」
それでも見つめられるとドキドキしてしまう。

「目覚めのキス」

「ばかっ!先に行くからね」
枕を手に取り彼の顔面に投げ付けると部屋を出た。


バタン。


何気ないいつものやり取り。いつもこんな具合だ。
私たちって端から見たら何に見えるのかなぁ。





「渉ってさ、村瀬君と付き合ってるの?」

「なっ何よ、いきなり」
席に着くなり深雪の第一声がこれだから嫌になっちゃう。

「噂になってるわよ~最近仲もいいみたいだし、それになんてたって一緒の部屋だもんね~年頃の男女が二人っきり!何もないハズがない!もうキスくらいはしてたりして」
また……噂ね。

「あのね~ぇ!あいつとは別に部屋が一緒なだけ!特別な感情なんてないの!こっちだって迷惑しているんだから」

「本当に?」

「無い!」

「本当に本当?」

疑われても仕方ない状況ではあるのだが……深雪のやつ信じてないわね、あの目は。

「本当に本当に何もないってば!もぅ~しつこいぞ!」

いくら深雪にでもキスしたことは言えなかった。
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