ホスト前線上昇中
「おっす、美由紀」
職員室を出て教室に向かう途中の廊下。

「何だ。お前か」
声をかけてきたのは学だった。

「俺で悪かったな。それにしても……朝からちゃんと日直の任務を果たしているとは、今日は雨でも降るかな」
美由紀が日直と分かったのは、手に持っている日誌と出席簿からであろう。

「ばーか。こっちには最強の目覚ましが居るんだよ」

「目覚まし?なるほど。杉原渉……か、美由紀をこれだけてこずらせるとは。確か賭けは今日までだったよな」
一週間前の約束。
渉をおとすというなんとも無謀とも言えるアレだ。

「まだ一日ある、そう簡単には諦めねぇよ」

「負けず嫌いなヤツ」

学は彼の背中を見ながら呟くのだった。
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