ギブス
自分の言った言葉に…、動揺している諒に…

今度は、奏の方が驚きを隠せなかった…


「まさか…、本気で…好きになった…っ
…じゃなきゃ、とっとと…血ぐらぃ吸ってるよね…っ」


その、奏の言葉に…諒の瞳が揺らいだ…


「…違う…、柚葉はまだ…幼いから…っ」


「…って、兄貴は、何で俺に、言い訳してるの…っ」


「…違う…っ」


奏の言葉に…、急に声を荒げた諒に…

その諒の、反応に…ため息をついた奏…


「…っあそ…
じゃ、俺があの子の血を貰ってもいぃんだ…」


奏の言葉に…、奏に視線を向けた諒…


「…何を…っ」


「だってさ…、あんな可愛いくて…美味そぅな血の匂いして…
ナニもしなぃ…でいろなんて…
ムリに決まってるって…っ
兄貴が、吸わないのなら…俺が貰うょ…」


「…勝手に…すればいぃ…」


そぅ…、消え失せそぅな声で言った諒の言葉に…


「じゃ、そぅさせて貰うから…っ
例の件も、よろしくね…兄さん…」


…と、にこやかな笑みを浮かべながら…諒の寝室を出て行った奏…


その、部屋を出て行った奏がいた辺りに視線を向けた諒…

急に…、笑いがこみ上げて…吹き出した…


「…まさか…っ」
〔…奏が…

柚葉を…っ


本気で、あんなコトを言うはずが…ない…っ


だが…、もし…本気だったら…っ〕
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