ギブス
『……///』
【…った…“単純”…って…】


その言葉に、一瞬にして…頬を赤らめた柚葉…


…が、すぐに諒の方を見つめながら…


『でも…、それでも…
先生は、あたしのコト、分かってくれるから…』


その柚葉の言葉に…、諒の表情が、微かに揺らぐ…


「………」


柚葉のその耳元に…

諒は、何かを囁いた…


諒が、柚葉の耳元から顔を背けながら…離れる瞬間、微かに耳元が紅潮しているコトに気がついた…


『……///』
【…“いつも…、側で見てるから…”…

…って…】


「…ごめん。タバコ…吸って来るから…」


…と、諒は、柚葉に目線を合わせなぃまま…

スモーキング・ルームがある方を指差し、言った…


『…っあ…、ぅん…っ』



諒が…、その部屋の方へ歩いて行く…背中を見つめながら…


『………』


少しずつ…、胸の鼓動が速さを増していく…


先程、諒に囁かれた…耳を塞いだ…

あの声が…、あの言葉が…

何処かへ…、行かないよぅに…
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