ギャップ的恋愛論
彼女が居るのに平気であたしにキスした神木。
あげくに冗談だからとあたしをさらりと突き放した。
同じ歳なのに、ずいぶん女慣れしてそう。
キスだって……上手かったような……?
他に比べる対象がないからいまいち断言は出来ないけど。
ふと神木の横顔が目について、思わず唇に視線を走らせるあたし。
「はぁ…」
大きなため息をついたところで、誰かが横に立っているのに気づいた。
「乙葉、次の授業サボろっか……?」
「なんで?」
「そんな切ない顔した親友をほおってはおけないから」
そう言って、朋歌はあたしの手を引くと、教室をあとにした。
`