ギャップ的恋愛論





その後、トントン拍子に勝ち進んだあたし達は、残るは昼からの決勝戦だけになった。







「おっ昼♪おっ昼♪イケメンとおっ昼♪」






ご機嫌でスキップしてる裕子とは裏腹に、逃げ回るのですっかり疲れ果てたあたしはおぼつかない足取り。






スタンドに居る凌ちゃん達の噂は瞬く間に広まって、その声援を受けるあたし達のチームは、ある意味有名になってしまったわけで。






気づけば、なぜか颯くんがあたしの彼氏だという噂まで流れていた。







最悪………







その分、試合中の風当たりも半端じゃなかった。







『あの女、向井君とあのイケメン、二股掛けてるだって!』






なんて根も葉も無い噂を信じた相手チームが、バシバシあたし目掛けてボールを打ち込できたりして。







汗だくで走りながら、マジで死ぬかと思った。






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