ギャップ的恋愛論
・さらに揺れ動く女
ついに迎えた第3(最終)クォーター前のインターバル。
決勝戦だけあって、思わず息を飲むような試合展開に、ここに居る誰もが興奮しているみたい。
48−43
どちらが勝ってもおかしくない点差。
ちなみに、リードしてるのはウチのクラスなんだけど……
試合を応援するあたし達も、今はベンチのすぐ後ろで観戦している。
それは、熱血教師の担任が、ここにクラス全員を集合させたからであって。
「お前らも間近で観戦しろ!」と、無理矢理横一列に並ばせたから。
「ったく……、ここから見るより、上から見た方が遥かに見えやすいのにね……」
朋歌の悪態に、今のあたしには応える余裕がない。
だって、勝利の行く末より、向井君のシュート数が気になって仕方ないから。
`