雷鳴の夜
第二章
「ひっ!」

轟く雷の音に、思わず耳を塞いで立ち止まる。

地下病棟へと続く階段の途中。

大きな雷鳴は、地下のこの場所にも届いていた。

…ここ最近、天候不順のせいで雷雨が多い。

今夜はとうとう嵐になってしまったし。

どこの病院も例外なく、発電設備は整っているので停電は心配ないのだけれど、あの雷の音と稲光だけはいつまで経っても好きになれない。

…気を取り直して。

私はペンライトで暗闇を照らした。

階段は更に奥へと続いている。

どこまでも続く闇の中。

まるで冥府へと私を誘うかのように。

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