雷鳴の夜
ペンライトを持つ手に汗が滲んだ。

この扉の先には、ショッキングな光景が待っているかもしれない。

人間が人間の肉体を切り刻み、いいように弄んでいた、おぞましい現場。

並みの精神の者ならば、そんな現場を垣間見る為には相当な覚悟が必要だ。

「無理して入る事はねぇ」

ヴィクターが私の肩を掴む。

「通り過ぎちまいな。見なくていいものってのも、世の中にはあるんだ」

それは彼なりの、私への気遣いだったのかもしれない。

しかし。

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