雷鳴の夜
「……」

私は首を横に振り、ヴィクターの手を解いた。

ここまで来た以上、私はこの地下病棟で何が行われていたのかを知りたい。

この地下病棟から生きて帰り、人体実験の行われていた事実を、白日の下に晒さなければならない。

その為に、どんなおぞましい事実も目を背けず、見ておく必要がある。

「ちっ…」

ヴィクターが舌打ちした。

「馬鹿な女だ」

< 99 / 150 >

この作品をシェア

pagetop