ぼくの 妹 姫




「ねぇ。宙、こっちに来て?」



甘えた声で宙に手を差し出すと



「………蕾」



宙は手を握り、なだれ込むように私を抱きしめた



その 弾みでベッドに倒れて



全身で宙の重みを受けとめた



「……蕾。
オレ、蕾が好きなんだ」



ギュッと私を抱きしめる


遠慮なく宙の身体は私を押し潰すように重い



……これは初めてだな
頭で冷静に考えると


宙は少し上半身を浮かせて


「蕾は?」


私の目をのぞき込む



私は何も答えず、ただ微笑む



宙は それをYESと受け取る



全然、慣れてない雑で


時折、
前歯がぶつかるキスを受けながら







私は 知らないんだ


人の愛し方も愛され方も


全然わからないんだよ






「……オレ、持ってないよ」



私の上、宙の額の汗が
雨みたいに2つ頬に落ちてきた



汗ばむ宙の背中に手を添えると
ピタッと手のひらが肌に張りつく



「……今日はここまで」って宙が言いかけたから



「あるよ」



「え?」



「ゴムでしょ?ある、ある」



私は身体を隠すことなく
ベッドから出て
机の引き出しから箱を出した




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