ぼくの 妹 姫




「お前さ、一体なんなの?」



家事をして
宿題をして
お兄ちゃんと裸で遊ぶ事を
さんざん繰り返した
夏休みも終わった
2学期





宙は昼休み
空き教室に私を呼び出し



「お前さ、一体なんなの?」




そう私に詰め寄った


……なんなの?
とは一体なんなの?



訳がわからず
首を傾げた私に



宙は眉を寄せて


「蕾はオレの彼女だよな?」



初耳だ
いつ私が宙の彼女になったのか



宙は驚いてる私に構わず
話を続けた



「蕾、あれから全然
何も言って来ないし
夏休みだって全然……」



「待ってよ。あれからって?」


そう私が聞くと
宙は哀しそうな顔して


「オレたちエッチしたじゃん」



「ああ」


私がうなずくと
哀しそうな顔した宙は


「ああって……
ああじゃねーよ」



あまりにも悲壮感漂う宙の声に
なんだか罪悪感



勘違いさせてゴメンねー
なんて、はすっぱな言葉は
言いたくないけど



別に付き合うつもりで
エッチした訳じゃない



あれ?男子って
別に付き合う
付き合わないなんて
気にならないんじゃないの?



……なんて事はないね



本当はわかってる
わかってて
わからないフリをしてる



宙はいい子だ
それで私の事が好きなんだ



私は今
宙を傷つけている




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