ぼくの 妹 姫
蕾の部屋は
ベッドサイドに置かれた
ライトで明るかった
ぼくと一緒に眠る時は
部屋は真っ暗にしてたけど
そうだ、前は
蕾は眠る時も
部屋を明るくしてた
蕾は こちらに背を向け眠ってる
布団を少し捲り
ベッドに片ひざついて
静かに潜りこむ
「……美紗さんがいるのに」
てっきり寝てると思ってた
蕾が そう言って
寝返りを打って
ぼくを見た
「見られたら……
どうするの?」
蕾は柔らかい笑顔を浮かべて
その顔を見たら
ぼくの胸はギュッとなり
指先からつま先まで
たまらなく疼く
「美紗なんかに………
とやかく言われる
筋合いないよ………」
指先で蕾の頬を撫でる
瞳を閉じると
まつ毛の長さに
愛しさが溢れる
「……蕾………
ぼくの蕾………」
頬を撫でる指先は
細いうなじを撫で
薄い肩をなぞり
だんだん下へ
滑り落ちて
パジャマの中の
素肌の感触を楽しむ
「ねぇ、お兄ちゃん」
蕾は ぼくにパジャマを
脱がされながら
「美紗さん………
ここに住みたいんだね」
「え?」
きょとんとした ぼくを
クスクス笑い
「邪魔な妹を追い出して
お兄ちゃんと結婚したいのよ」
そんなことにも
気付かないなんて
お兄ちゃん鈍いなって
蕾は苦しそうに
声を堪えて笑ってた