ぼくの 妹 姫
思い出は
色あせることなく
ただただ眩しく
胸を締め付ける
いつだって
すぐ そばにあるのに
手を伸ばしても
永遠に触れることは出来ない
ましてや
消し去りたい過去を
塗り替えたり
やり直したりも出来ないのだ
「……大丈夫だよ……
お兄ちゃんなら
守っていけるよ
だってさ………」
ぼくは
涙でぐしょ濡れの顔を上げ
蕾の顔を見つめた
「だってさ……
お兄ちゃんは蕾の太陽だもん」
にっこり笑った
その顔に涙はなかった
「お兄ちゃんは蕾の太陽
たった一つのまぶしい光」